触れる指先の体温は思った通り、常人より少し高かった。
 小さな手。
 それとは裏腹な幾つもの小さな傷跡が残る手の甲と手のひら。それから、指先。
 けれどそれはとても暖かく、柔らかい。
 頬に躊躇うように触れてくる指がくすぐったくて、思わず笑ってしまう。
 するとその指先がびくり、と竦んでしまって、引っ込められそうになる。

「違うよ、」
 
 その指先と言わず、手に自分の手を絡めて、止める。
 ああ、やっぱり暖かいなぁ、と緩む頬のままで微笑んでみせた。

「君に、触れていて欲しいんだ」

 強請るように。
 甘えるように。
 口にすれば、握った手が小さく揺れるのがわかった。
 手を離す前に小さく握りしめてから体温を肌に覚えさせる。すぐに触れてくれのがわかっているのに、その少しさえ惜しいのだと、思ってしまう。

「ね?」

 (自分でやっておいてなんだけど、これは彼にとって威力のある代物なんだろう)首を少しだけ傾けて微笑みかかけると、音が鳴るんじゃないかと思うくらい瞬時に首まで真っ赤になる様子が、おかしくて、愛しい。

 それからまた君の指先を待つ。
 そんな時間がたまらなく、待ち遠しい。








指先がれる度に
title:『愛しいきみと』 直青