<トリコの場合>
(小松、キッチンにて準備中)
小松 :〜♪(鼻歌まじりに)
トリコ:小松ぅー、まだかー。
小松 :もうちょっとで出来ますよー。
トリコ:さっきからそればっかりじゃねぇか。
小松 :「さっきから」って……そもそもトリコさんが五分もたたないうちに聞いてくるんじゃないですかっ!
もうちょっとは、もうちょっとですけど、そんなにすぐには無理ですよぉ……
トリコ:仕方ねぇじゃん。腹減ってんだもん。
小松 :トリコさん、成人男性の「だもん」って破滅的に似合いませんよ……
トリコ:うるせぇっ。
……あー。このやりとりしてるだけでも余計に腹減ってきたぜ……
小松 :…………(溜息) トリコさん。
トリコ:ん?
小松 ;(スッと調理中だったから揚げをひとつ菜箸で取って差し出し)
はい、味見です。
トリコ:!!(ガバァッ)
いただきますっ!(ばくん)
小松 ;早っ!
トリコ:(むぐむぐ)…………お。から揚げ粉変えてんな。
小松 :隠し味の比率をちょっとだけ……って、本当よくわかりますねー……
トリコ:現役美食屋なんだから当たり前だろ?
小松 :いやいや、隠し味の比率って本当に微妙な違いなんですよ。あとはひとつまみだけ加えたとか、そういうのなんですから。
トリコ:うまかった!
小松 :…………さいですか(脱力)
(こういうところは、やっぱりトリコさんってすごい んだよなーと思いつつ)
……トリコさん。
トリコ:ん?
小松 :あと本当にもうちょっとですから。一口ずつなら、味見して待っててもいいですよ?
トリコ:一口ずつ?
小松 :だって、トリコさん念押しとかないと一口で全部持っていっちゃいますもん。
トリコ:…………お前が食わせてくれるのか?
小松 :へ。
トリコ:そういうことだろ?(ニヤ) お前基準の『一口ずつ』なんだからな。
小松 :あー…………
…………(トリコの自由にさせていたら、自分の調理関係の労力が余計に増えるのを考え)
……調理しながら、でいいのなら。
トリコ:りょーかい。
小松 :そういうわけで、はい、もう一口(から揚げをトリコの口元に一つ差し出し)
トリコ:ん(ぱくん)
本人達は『当たり前』というか、『いつものこと』になってしまっていることでも、他の人から見たら「いやいや、それって当たり前でもないから」とツッコまずにいられない状況ってあるよね、っていうお話(長)
−トリコマ編−