たとえば、相手が何か言おうとするよりも先にこちらから話を切り出す。
たとえば、相手が差し伸べようとするよりも先に、手を繋ぐ。
たとえば、相手が先に歩き出すよりも先に歩みを進めて、けっして先には行かせない。
たとえば、
たとえば、
たとえば、
たとえば、
そんなことを幾つも折り重ねていけば、端から見れば自分のほうが相手を振り回しているように見えるのだろう。
人が良いのをいいことに、だとか。
困った顔はするけど最後には諦めたように受け入れるから、だとか。
わかっている。
言われなくたって、わかっている。
そんなの、わかっていなければ自分からやるわけがないではないか、と訳知り顔で言う奴らに怒鳴りつけてやりたいのを、グッと堪えているのが、今の状態だ。
言ってやりたい。
お前らの言っていることなど、最初から自分はわかっているのだ、と。
わかってて、やっているのだと。
ならばわかっててやっているのでは、それこそ傍若無人のようではないか、と言われても仕方はないだろう。
それも自覚している。
知っている。
……知っていて、それしか出来ないのだから、
「……サニーさん?」
今も、そうだ。
困らせたいわけではない。
自分の思い人には笑っていて欲しいと思うのは、人間として当たり前の感情だ。
だが、現実として目の前にあるのは、困ったように首を傾げてこちらを見上げている相手の姿だけ。
「どうかしたんですか?」
探るような指先が、髪に触れて、宥めるような仕草で梳いていく。
……本当のことを口にすれば、お前は笑うだろうか?
本当は、こうして一緒にいるだけで、不確かな繋がりを繋ぎ止めようとしていることを知ったらどうするのだろうか。
お前が言葉を紡げないように畳みかけるようにして話していることを知ったならば、
はがゆい君たちへの七題
−恐れるは「迷惑」の一言−